クラウドの文書作成ソフトとしてのGoogleドキュメントの特徴や活用のための考え方を学びましょう。
印刷された資料とブラウザの資料との違い
Googleドキュメントはクラウドの文書作成ソフトですが、同じ文書作成ソフトの分野のWordやWPS Writerなどとは異なる性質を持っています。Googleドキュメントはブラウザを使って表示したり、複数人で同時に共同編集することに強みを持つ文書作成ソフトです。つまり、ブラウザで文書を表示することを前提として使用することで強みを発揮します。
Googleドキュメント以外の文書作成ソフトは、美しい印刷物を効率的に作成する、ということを目的としています。そのため、印刷して共有されることを前提とした資料作成を行うことが望ましいといえます。
このようなソフトの特性の違いを理解してGoogleドキュメントを駆使することで、
- Wordにある機能が使えない
- 細かな印刷設定ができない
- ファイルのバージョン管理が上手にできない
といった、Googleドキュメント独特の「できない」に対して、前向きに向き合うことができ、こういう使い方ならここまでの機能で十分！という納得感を持ってファイルの作成や編集ができるようになります。Googleドキュメント以外の文書作成ソフトで作成するファイルは、最終的には印刷物となることが多く、そのため作成されるファイルの前提条件などが大きく異なります。
Googleドキュメントの特徴
ファイルを作成する単位についても、最終成果物が印刷物であることを想定しているファイル、そのようなファイルを作成するためのファイル名の付け方をしている文化の組織だと、１つの印刷物につき１つのファイルが作成されます。定例会議の議事録を作成するとしたら、このようなファイル名をなる場合が多いと思います。
このように、各回の議事録のファイルが作成され、議事録のファイルごとに印刷されて上司に内容の確認を行い、修正後の上のファイルが印刷されて捺印され、書庫の中にあるバインダーやファイルの中に一連の資料として保管されるということが多いと思います。
このように過去の情報については印刷された紙を参照するか、あるいは過去のデータファイルを開いて確認しながら、最新の情報を記載したファイルを編集するというやり方で情報を更新していくのが従来の文書作成のやり方です。
すると、同一の保存場所に同じ名前のファイルを作成することはできないという成約に直面します。そのため、印刷を行う単位でファイルを作成する、印刷を行う担当者だけが編集を行い、上司からの指摘箇所は印刷して赤ペンで加筆修正するといったことが起こりがちです。
一方、Googleドキュメントは、印刷することを前提としておらず、ブラウザで表示/編集することを前提としています。ブラウザで表示すること、印刷物として情報が固定化されないことから、同じファイルをリアルタイムに見てもらい、指摘箇所については指摘する人自身が修正するといった編集が可能になります。また、ブラウザのタブを複製すれば、同じファイルを同時に複数の画面に表示できるため、定例会議のような継続性のある情報を管理するために、ファイルを分割する必要はなく、１つのファイルに構造的に見出しをつけることで管理できます。
紙での印刷を前提としたファイルと、ブラウザで表示することを前提としたファイルの特徴を以下に比較していますので、ぜひ参考にしてください。
最終的に紙として印刷するのか、ブラウザで表示するのか、という形式の違いはありますが、どちらかが必ず優れている、どちらかでないと絶対にだめということではありません。作成したファイルが最終的にどのように使用されるのかを理解して選択することが重要になってきます。
